熱帯地域における産業植林の生産性の大幅向上
[企業・団体名] 日本製紙株式会社
開始時期
2006年~現在
技術やビジネスモデルの説明
熱帯地域において、選抜育種によるユーカリ優良木の開発と、挿し木による大量増殖により、産業植林のバイオマスの生産性を大幅に向上させた。これにより、高効率のCO2吸収源の拡大と、大幅なバイオマス製品のコストダウンが期待できる。
実績や目標など
当社は2006年末にブラジル北部のアマパ州にある植林事業会社であるAMCEL社を買収したが、当初は痩せた土壌、雨期と乾期の極端な気候差、熱帯で多発する病害等で極めて生育は悪かった。買収後、改めて当地に適したユーカリを選抜し、挿し木による大量増殖、熱帯地域での植林技術の開発により、年々生育を向上を図った結果、ha当たりのバイオマスの生産性は買収直後に比べて2倍となった。
また、遺伝子配列の解析から優良木を選抜するDNAマーカー選抜技術の開発により、当初12年かかっていた選抜期間を5年に短縮することができた。
こうした生産性の向上により、現在AMCELでは年間150万t以上のCO2を木質バイオマスにリサイクルして事業を行っている。単純な比較はできないが、経済産業省が2030年の目標としているCO2分離回収コストをすでに達成しているといえる。
取組を紹介したURL等
https://ci.nii.ac.jp/naid/10026214634
https://acaddb.com/articles/articles/11547196
https://ci.nii.ac.jp/naid/130004493075
http://www.fgtb.jp/pdf/2013/10m/FGTB_V2N4_feature_article2.pdf
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jtappij/74/8/74_74.820/_article/-char/ja/