casestudy 取組事例

新聞古紙「クローズド・ループ」リサイクル

[企業・団体名] 日本製紙株式会社

構成メンバーとその役割

日本製紙は、原料古紙を受け入れ、新聞用紙を生産・販売する。新聞社各社は、新聞用紙を購入し、新聞を発行するとともに、新聞印刷工場から発生する損紙や読者宅から新聞古紙を回収し、日本製紙の工場に原料として販売する。

開始時期

日本製紙は新聞用紙の顧客である新聞社と、新聞古紙回収リサイクルの取り組みを行っている。新聞読者宅からの新聞古紙回収は、2007年に九州エリアから開始した。近年、エリアを拡大し、2020年4月1日からは首都圏においても取り組んでいる。

新聞印刷工場からの損紙回収は、2015年に宮城県の新聞印刷工場で開始した。その後、各地の印刷工場にも拡大している。

取組の内容

古紙は主要な製紙原料である。古紙の中でも新聞古紙は、新聞用紙だけに再利用されるわけではなく、印刷・情報用紙、白板紙などにも原料として使われる。また、日本の古紙価格は輸出市況に大きく影響を受ける。古紙発生量の減少、古紙回収にかかわる人手の不足などが懸念される中、各新聞社の印刷所で発生する損紙のほか、これまで地域で築いてきた新聞販売店のネットワークを生かし、新聞読者宅から新聞販売店が古紙を回収し、日本製紙の工場に原料として搬入し、その古紙を原料として新聞用紙に再生する。これらの取り組みが日本国内の古紙市況の安定化の一助となることにも期待する。

取組実績と目標

「クローズド・ループ」の取組による古紙回収量の実績:2016年12.8千トン、2017年14.9千トン、2018年14.6千トン 2019年13.9千トン、2020年17.6千トン日本の社会における古紙回収システムを維持し、古紙を製紙原料として安定的に資源循環させる、新しい古紙調達の仕組みづくりを目指す。また、古紙市況の安定化にもつながることから、関係者の役割と流通ルートの確立とコスト負担を明確化することにより、それぞれが長期的に安定したメリットを得られる仕組みを目指す。

取組を紹介したURL等

ニュースリリース:

https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2020/news200325004664.html

かわら版NIPPON(No.68)

https://www.nipponpapergroup.com/products/newsprint/mt_pdf/kawara_No68.pdf