戻りコン再生セメントを使用したコンクリート「エコクリート®R3」の開発
[企業・団体名] 鹿島建設株式会社
開発の背景
工事現場では、受入れ検査に使用した生コンなど、注文したコンクリートの1~2%がやむを得ない理由から使用できず、そのほとんどは再利用されることなく処分されます。首都圏など一部の地域においては、戻りコンの引き取りを有料化する動きが出るなど、環境負荷低減の観点から、その減量・再生が大きな課題となっています。
技術やビジネスモデルの説明
鹿島、三和石産株式会社、東海大学笠井哲郎教授の3者は、建設副産物である戻りコンを再利用したセメントを開発し、究極の資源循環を図る、画期的なコンクリート製造技術の確立に至りました。戻りコンクリート由来のスラッジ再生セメント「Cem R3」(セムアールスリー)と、これを使用したコンクリート「エコクリートR3」を開発しました。全国で年間400万tに達するとされ、現状はほとんどが処分されている戻りコンをコンクリートの製造に再利用するという、他には類を見ない技術です。
鹿島は、環境影響に配慮したコンクリートを「エコクリート®」シリーズとして開発を継続しています。今回開発したエコクリートR3で、資源循環型社会の形成に寄与してまいります。
実績や目標など
神奈川県で鹿島が施工した「藤沢公民館・労働会館等複合施設建設工事」に大規模適用しました。建物躯体に約6,000m3を使用する初の本格適用です。
エコクリートR3は、これまで有効な手段がなく廃棄処分していた戻りコンクリート※2(以下、戻りコン)を原材料として再利用し、資源循環を図りながらCO2排出量を抑える画期的な環境配慮型コンクリートです。試算では、本工事で6,000m3使用したことにより、工事期間中に藤沢市で発生する戻りコンの廃棄量を約600トン縮減し、コンクリート製造時のCO2排出量は、一般的なコンクリートに比べ約480トン※3削減しました。
取組を紹介したURL等
戻りコンを再びコンクリートに、究極の資源循環を実現
https://www.kajima.co.jp/news/press/201611/24a1-j.htm
環境配慮型コンクリート「エコクリート®R3」、初の大規模適用