casestudy 取組事例

再生材利用率最大99%を実現したソニー独自開発の難燃性再生プラスチックSORPLAS™

[企業・団体名] ソニーグループ株式会社

開始時期(予定)等

2011年の実用化以降さまざまなソニーグループ製品での活用を開始し、更に2014年より外販体制を整えビジネス領域を拡げています。

技術やビジネスモデルの説明

ソニーが開発した難燃性再生プラスチックSORPLAS™ (Sustainable Oriented Recycled Plastic、ソープラス)は、「廃棄物に新しい価値を付与したい」というソニーの強い思いを体現させるため、1995年より中央研究所でスタートした研究開発の成果として誕生しました。

当時、工場排水処理用の浄化剤や紙おむつ用の吸水性材料など、廃プラスチックを付加価値の高い機能材料に転換する技術研究が行われていました。この研究の中で、ポリカーボネイト樹脂に対して極微量で高い難燃性を発揮する、硫黄系難燃剤 (プラスチックを燃えにくくするための添加剤) を見出しました。こうして独自開発した非ハロゲン・非リン系の難燃剤と、複数種の廃ポリカーボネイト樹脂を最適に配合することで、1%未満という極微量の添加で難燃性を付与することができます。よってSORPLASは、10%前後の添加量を必要とする一般的な難燃剤を採用した従来の難燃性プラスチックに比べて、耐久性や耐熱性、リサイクル性に優れるとともに、最大で99%という高い廃プラスチック使用率を実現することが可能です。同時に、SORPLASを有効活用することで、CO2発生量も最大で約80%まで削減※することができます。さらに、廃ポリカーボネイトや独自難燃剤に加え各種添加剤の最適配合技術により、さまざまな製品の要求特性に合わせたSORPLASを作ることができます。

ソニーは、2011年にSORPLASを実用化して以来、さまざまな自社製品に採用しており、テレビ ブラビア®、Xperia™スマートフォン、デジタル一眼カメラなどのデジタルカメラやビデオカメラの一部のモデルなどで使用しています。またSORPLASを社外にも提供することで、資源の再利用を促進し、社会全体の環境負荷低減に貢献しています。現在、多くの企業がSORPLASに関心を示し、これまでにテレビやカメラ、スマートフォン、パソコン、照明器具、旅行用品、文具を含む日用品などの部材として導入しています。

※ 液晶テレビ ブラビア『KDL-40EX52H』に採用されたSORPLASにおいて、プラスチックの製造 (輸送含む) を条件とし、ソニーが試算した結果。

実績や目標など

事業化当初より掲げている「持続可能なビジネスが真の環境貢献につながる」というテーマの元で、安定した品質と実用的な価格でSORPLASを提供することでビジネスの自立を実現しています。持続的な環境貢献とその拡大のため、安定的な成長とより多くの会社様や業界での採用に向けて、より柔軟なサプライチェーンの構築や新素材の開発など努力を続けています。

取組を紹介したURL等

https://www.sony.com/ja/SonyInfo/csr/eco/technology/sorplas.html