casestudy 取組事例

アクリル樹脂のケミカルリサイクル ~その美しさは、炭素とともにめぐる~

[企業・団体名] 住友化学株式会社

構成メンバーとその役割、連携のポイント

・日本製鋼所:1997年に開発した二軸混錬押出機『TEX』を利用したプラスチックの連続分解技術を提供する。

・住友化学:長年培ってきたメチルメタクリレート(MMA)モノマーおよびアクリル樹脂(PMMA)の知見を活用する。

・連携のポイント:両社の強みを活かし、アクリル樹脂のケミカルリサイクル技術を開発・実装する。

開始時期(予定)等

・2022年秋に実証試験に着手し、2023年にサンプル提供を開始する。

技術やビジネスモデルの説明

・日本製鋼所は、混錬性能を飛躍的に向上させ、幅広い用途に使われている二軸混錬押出機『TEX』を利用し、使用済みアクリル樹脂を効率良く安全に、MMAモノマーに分解する技術を提供する。

・住友化学は、使用済みアクリル樹脂から分解・生成した再生MMAモノマーを、長年培ってきた知見である塊状重合などによってアクリル樹脂を製造する。

・両社が共同で開発を進めることで、アクリル樹脂を分解するのに適した二軸混錬押出機『TEX』により、従来より熱分解を効率よく進行させ、原料のMMAモノマーとして再生する独自の基本技術を確立した。

・本技術で得られたMMAモノマーを再重合してできるアクリル樹脂は、化石資源から製造したバージン材料と比較して、透明性や強度などの基本物性はほぼ同等であり、製品ライフサイクル全体の温室効果ガス排出量を60%以上削減できる見込み。

・本事業は、環境省(令和3年度、令和4年度)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業として取り組んでいる。

実績や目標など

・ラボスケールでは、使用済みのアクリル樹脂から高回収率で再生モノマーを取得できることを確認し、バージン材料と同等の品質のアクリル樹脂にリサイクルできることを確認している。

・社会実装できるスケールで本技術を実証すると共に、回収から、再生、製品化までの資源循環システムを確立し、持続可能な社会の構築に貢献する。

・本技術を確立することで、抜群の透明性を有する美しいアクリル樹脂をMeguri®製品として世の中にめぐらせていく。

取組を紹介したURL等

・住友化学リリース:

https://www.sumitomo-chem.co.jp/news/detail/20210823.html

・住友化学 プラスチック資源循環事業ウェブサイト:

https://www.sumitomo-chem.co.jp/circular-plastics/

・日本製鋼所リリース:https://www.jsw.co.jp/ja/news/news4335197407713005580.html

・環境省報道発表資料:

https://www.env.go.jp/press/110150.html

・一般社団法人日本有機資源協会 採択事業紹介:

https://www.jora.jp/activity/21datsutanso/21datsutanso-pla2021_saitaku2/