casestudy 取組事例

ペットボトルにおける「Flake to Preform (FtoP)ダイレクトリサイクル技術」の開発

[企業・団体名] サントリーホールディングス株式会社 協栄産業株式会社

構成メンバーとその役割、連携のポイント

飲料の製造を行うサントリー食品インターナショナルを傘下に持つサントリーホールディングスと、ペットボトルリサイクル・再生樹脂販売を行う協栄産業は、2011年にボトル to ボトルのメカニカルリサイクルシステム(※1)を日本の飲料会社で初めて開発するなど、ペットボトル製造における環境負荷の低減活動を推進してきた。さらなる環境負荷の低減効果を目指し、2018年に海外の設備メーカーSIPA社・EREMA社とも協働し、ペットボトルリサイクルの一部工程を省くことにより、環境負荷低減と再生効率化を実現する「Flake to Preform (FtoP)ダイレクトリサイクル技術」を開発。これは世界初の技術である。

※1:ペットボトルリサイクルの手法のひとつ。使用済みペットボトルを粉砕・洗浄した後、さらに高温、真空で一定時間の処理を行い、再生材中の不純物を除去する方法

開始時期(予定)等

2018年8月に、協栄産業の東日本FtoPファクトリー内に第1ライン、および2020年2月には第2ラインが稼働済み。

技術やビジネスモデルの説明

FtoPダイレクトリサイクル技術とは、ボトルtoボトルメカニカルリサイクルをさらに発展・効率化させたもので、回収したペットボトルを粉砕・洗浄したフレーク(Flake)を高温、真空下で一定時間処理し、溶融後、直接プリフォーム(Preform)(※2)を製造できる技術。新たに石油由来原料を使用する場合と比較して、CO2排出量を60%以上(※3 )削減可能。

※2:PET樹脂から作られる、試験管のような形をしたペットボトルの原型。加熱し、高圧空気を吹き込むことでペットボトルに加工される。

※3:石油由来PETを使用したプリフォーム製造との比較

実績や目標など

1製造ライン当たり年間約3憶本のプリフォーム製造能力があり、これらはすべてサントリー食品インターナショナル(株)が販売するペットボトルの材料として使用されている。今後も製造ラインを増設し、環境負荷の少ないリサイクルペットボトル製造をさらに推進することで、循環型社会の実現に貢献していく。なお、本技術は世界包装機構「ワールドスターコンテスト2019」で「ワールドスター賞」を受賞。

取組を紹介したURL等

https://www.suntory.co.jp/company/csr/activity/environment/reduce/resources/recycle/

https://www.suntory.co.jp/news/article/13428.html