casestudy 取組事例

豊田通商のネクストモビリティ戦略におけるリチウムサプライチェーン

[企業・団体名] 豊田通商株式会社

開始時期(予定)等

リチウムイオン電池普及の加速が確実視された2008年、当社は原料となるリチウム(炭酸リチウム)獲得のために世界の資源鉱量調査に乗り出しました。調査の結果、当社が着目したのはアルゼンチンのオラロス塩湖でした。当時、オラロス塩湖は未開発であったこと、湖水のリチウム含有量が多く、不純物が少ない上に、生産・輸送に必要なインフラが整っていたためです。

2012年9月に本プロジェクトの権益の25%相当を取得し、2014年12月には施設の開所、本格生産をスタートしました。

技術やビジネスモデルの説明

気候変動対策としてのCO2削減をモビリティの視点から見ると、電動化が進んだ次世代環境車の普及が大きな鍵を握っています。それに応じてリチウムイオン電池の生産が世界的に拡大していますが、豊田通商ではその川上領域において、希少資源であるリチウムの安定供給に取り組んでいます。

また、需要が伸びている車載二次電池用炭酸リチウムの供給だけでなく、リチウム電池の技術革新に伴い二次電池の高容量化も見込まれることから、原料となる水酸化リチウムの製造事業を行うことを決定し、福島県楢葉町で生産・供給体制を構築することとしました。

当社はリチウム市場における安定サプライヤーとして、事業価値向上はもちろん、炭酸リチウムの100%販売代理権取得により安定的にリチウム資源を確保し、次世代自動車の普及に貢献していきます。また、事業の拡大だけでなく、資源という川上分野の開発を進めることで、川下分野のさらなる発展に貢献し、ひいては両国の発展の橋渡し役を目指します。

実績や目標など

炭酸リチウムの需要増に向けた増産対応、安定供給を目指し、オラロス生産能力を17,500トン/年から、42,500トン/年に拡張することを決定しました。拡張生産は2022年の開始を予定しています。

また、リチウムイオン電池を含む車載電池の電池特性に合わせた3R(リビルト・リユース・リサイクル)の推進を通じて、Battery to Batteryの再資源化事業にも注力しています。

取組を紹介したURL等

https://www.toyota-tsusho.com/about/project/04/

https://www.toyota-tsusho.com/press/detail/190412_004359.html