casestudy 取組事例

業界を超えた共同出資会社・株式会社アールプラスジャパンによる使用済プラスチックの再資源化技術の開発・実用化推進

[企業・団体名] 株式会社アールプラスジャパン サントリーホールディングス株式会社

団体設立の背景、構成メンバーとその役割および連携のポイント

<背景>

サントリーグループが掲げるプラスチック基本方針に基づき、サントリーMONOZUKURIエキスパートが、米国のバイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社と、植物由来原料100%使用ペットボトルの共同開発に取り組む過程で、環境負荷の少ない効率的な使用済みプラスチックの再資源化技術の開発可能性を見出す。この技術が確立されれば使用済みプラスチックのリサイクルに貢献できると考え、プラスチックのバリューチェーンを構成する各社へ参画を呼びかけ、2020年6月、12社(後述)により共同出資会社・株式会社アールプラスジャパンを設立。

<構成メンバーとその役割および連携のポイント>

2021年5月時点の出資企業は25社。世界で共通となっているプラスチック課題解決に貢献すべく、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料メーカーなど業界を超えた各社が参画している。

・設立時参画企業:サントリーMONOZUKURIエキスパート、東洋紡、レンゴー、東洋製罐グループホールディングス、J&T環境、アサヒグループホールディングス、岩谷産業、大日本印刷、凸版印刷、フジシール、北海製罐、吉野工業所

・設立以降参画企業:アプリス、サカタインクス、シーピー化成、東洋インキSCホールディングス、日清オイリオグループ、日本山村硝子、三菱ガス化学、リンテック、カルビー、セブン&アイホールディングス、三友プラントサービス、三井化学、リスパック

開始時期(予定)等

2027年に再資源化技術の実用化を予定。

技術やビジネスモデルの説明

ペットボトル以外のプラスチックは、現在国内では多くが燃焼(※1)されている。アールプラスジャパンの技術は、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクル(※2)技術の一種。従来の油化工程を経由するケミカルリサイクルよりも少ない工程で処理できるため、CO2排出量やエネルギー必要量の抑制につながる見込みである。この技術が確立されれば、より多くの使用済みプラスチックを効率的にリサイクルすることができると考える。

※1 焼却時に発生する熱を回収し、発電や熱供給に活用するサーマルリカバリー(熱利用)を含む

※2 使用済みの資源をそのままではなく、化学反応により組成変換した後にリサイクルする

実績や目標など

設立時は12社による参画だったが、現在は25社による出資、さらには新規の参画希望が随時あるなど、取り組みおよび技術への期待は大きいと考える。業界を超えて、プラスチックのバリューチェーンを構成する参画企業全社で、2027年のリサイクル技術実用化を目指す。

取組を紹介したURL等

https://www.suntory.co.jp/company/csr/activity/environment/reduce/plastic/

https://www.suntory.co.jp/news/article/13722.html