casestudy 取組事例

新規循環資源の開発・展開 セルロースファイバー成形材料

[企業・団体名] パナソニック株式会社

セルロースファイバーは、間伐材や木材の切れ端などの天然資源が原料の素材で、環境負荷が小さい資源として注目されています。2018年度に、植物由来のセルロースファイバーを添加した成形材料を開発しました。この環境に配慮した新素材であるセルロースファイバー成形材料は、現在、コードレスのスティック型掃除機の構造部品に採用※1され、特に重要な特長である軽量化に貢献しています。

さらに、2019年度にはセルロースファイバーを55%以上樹脂に混ぜ込む加工技術により、褐色化しやすいセルロースファイバーを白色材料として生成することにも成功※2しました。本技術を用いて、アサヒビール(株)様と共同でリユースカップ「森のタンブラー」を開発※3しました。本カップは木質由来の天然資源を55%以上活用しているという技術的な先進性と、その新規性が高く評価され、環境省が主催する令和2年度「循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰」を受賞しました。

さらに、2020年度にはセルロースファイバーのさらなる高濃度化の開発を進め、セルロースファイバーを70%の高濃度で樹脂に混ぜ込む加工技術と、それを製品化する成形加工技術を開発※4※5しました。本技術により70%の高濃度でも、素材の持つ自然感を活かす意匠を表現することにも成功しました。(日刊工業新聞社が主催する令和3年度 第50回 日本産業技術大賞「文部科学大臣賞」受賞)

■参考URL

※1

https://news.panasonic.com/press/jp/data/2018/07/jn180720-1/jn180720-1.html

※2

https://news.panasonic.com/jp/press/data/2019/07/jn190708-1/jn190708-1.html

※3

https://news.panasonic.com/jp/topics/166351.html

※4

https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/02/jn210204-1/jn210204-1.html

※5

https://news.panasonic.com/press/jp/data/2021/03/jn210308-1/jn210308-1.html