casestudy 取組事例

鉄鋼スラグの有効活用

[企業・団体名] 日本製鉄株式会社

開始時期(予定)等

開始済

技術やビジネスモデルの説明

鉄の製造工程では、鉄鋼スラグ、ダスト、スラッジ、使用済みの耐火レンガなど、鉄を1トンつくるのに約600kgの副産物が発生します。この副産物の大部分を占める鉄鋼スラグは、ほぼ全量が有効利用されています。高炉スラグは約7割が高炉セメント用に使用され、製鋼スラグは路盤材、土木工事用資材、地盤改良材、海域環境改善材、肥料等の用途に利用されています。

中でも、鉄鋼スラグを活用した海域環境改善※は、軟弱な浚渫土を有効活用して海藻が生育可能な浅場を創出する、あるいは廃木材由来の腐植物質との混合によって森林土壌中で生まれる腐植酸鉄を人工的に生成し海藻へ供給することにより、生物多様性保全に貢献し海の豊かさを守るとともに、CO2を固定化する気候変動対策としての効果(ブルーカーボン)も期待されています。

※具体的な内容は、2020年6月に日本経済団体連合会「チャレンジ・ゼロ」宣言を通じて公表しています。

実績や目標など

高炉スラグを微粉砕し普通ポルトランドセメントと混合した高炉セメントは、セメントクリンカ焼成製造工程を省略できるため、製造時のCO2排出量を4割削減でき、長期強度にも優れることから、エコマーク商品として登録されています。鉄鋼スラグ製品は自然砕石採掘削減や、セメント製造時の省エネルギー効果により、グリーン購入法の「特定調達品目」に指定されるとともに、各自治体のリサイクル認定も受けています。

鉄鋼スラグが水と反応して自ら固まる特性を利用したカタマ®SPは、林道・農道等の簡易舗装はもとより、例えばメガソーラパネル設置場所等の防草舗装用として効果を発揮しています。 製鋼スラグを原料として製造したジオタイザー®は、陸域における軟弱土(建設残土、農地土などの泥土)に混合して利用可能な土に改良することができます。従来の改良材(セメントや石灰など)に比べて粉じんが少なく、CO2排出量を大幅に抑制可能で、安価なため工事費の縮減ができます。改良土は転圧性に優れ、過度に固化せず再掘削性を有しています。

製鋼スラグを原料としたカルシア改質材と、浚渫土を混合して製造したカルシア改質土は、海底の深掘れの埋戻し材や浅場・干潟の造成材として利用でき、海域環境の改善に利用されています。また、製鋼スラグと廃木材由来の腐植物質を混合したビバリー®ユニットは、海藻類の生育に必要な鉄分を供給し、磯焼けした海の再生に貢献します。2004年から当社が実証実験を始めた沿岸域の藻場再生事業は、全国38か所に展開し、近年はブルーカーボン(海洋植生によるCO2固定化)の効果も注目されています。

更に鉄鋼スラグには、植物の生育を助ける栄養分が含まれるため、肥料としても幅広く使われ、農業生産性の向上にも貢献しています。

取組を紹介したURL等

https://www.nipponsteel.com/csr/env/circulation/zeroemission.html

https://www.nipponsteel.com/csr/env/circulation/sea.html

https://www.challenge-zero.jp/jp/casestudy/210