casestudy 取組事例

2021年度ボトルtoボトル推進事業

[企業・団体名] 一般社団法人 全国清涼飲料連合会

開始時期(予定)等

2020年度、清涼飲料業界は、様々なステークホルダーと連携し、ペットボトルをペットボトルにリサイクルする「ボトルtoボトル(水平リサイクル)」を推進するため、東京都内で実証実験や啓発活動を実施した。

参考:https://j4ce.env.go.jp/casestudy/086

2021年度は、エリアを拡大し、海洋プラスチック・ゼロエミッション・異物低減等様々な課題にアプローチしながら、全国各地で様々な実証実験や啓発活動を実施した。

技術やビジネスモデルの説明

①東京都:ボトルtoボトル東京プロジェクト

・ 葛飾区 ―水平リサイクル推進啓発と分別啓発回収機材を使用した実証実験の実施―

葛飾区と全国清涼飲料連合会(以下全清飲)は、2021年3月、ボトルtoボトル(水平リサイクル)推進に関する協定締結を行った。本件は、ボトルtoボトル推進に向けた、「全国初」の清涼飲料業界と基礎自治体の協働取り組みである。具体的には、分別啓発専用の回収機材による実証実験を実施し、啓発活動(アンケート、ポスター・SNSでの発信、講演)を実施した。 

・ センコー平和島PDセンター(配送センター) ―緑地帯地域での散乱防止対策として、ポスター・回収機材を使用した実証実験の実施―

海沿い地域でのごみ散乱防止策として、分別啓発専用の回収機材及び新機能リサイクルボックスによる実証実験を実施した。 

・ 原宿表参道欅会 ―公道における回収・啓発モデルの開発―

より多くの消費者の啓発を目指し、全清飲は、原宿表参道欅会が展開している、IoTリサイクルステーション「SmaGo」に啓発広告を掲載した。

②広島県 ―「GREEN SEA瀬戸内ひろしま・プラットフォーム(GSHIP)」への参画―

・ 海洋プラスチックごみの流出防止を目的に、街中や海岸・河川付近等の散乱防止施策として、自販機横リサイクルボックスの異物による満杯が回避できる新機能リサイクルボックスの実証実験を実施した。

③神奈川県 ―ボトルtoボトル(水平リサイクル)を推進する「かながわペットボトルモデル事業推進コンソーシアム」への参画―

・ 鉄道駅(小田急電鉄・本厚木駅)・事業会社(河西工業・本社地区内)において、事業系廃棄物回収の実証実験を実施した。ボトルtoボトル(水平リサイクル)に資する品質の使用済ペットボトルを回収できる分別啓発機材を使用した。

④その他

・ 日本最大の飲料・酒類業界の開発・製造展であるドリンクジャパンにおいて、ボトルtoボトル(水平リサイクル)をはじめとする資源循環に関して先進的に取り組んでいる東京都、葛飾区、神奈川県、広島県とのパネルディスカッションを開催した。

実績や目標など

①東京都:ボトルtoボトル東京プロジェクト

・ 葛飾区:正しい啓発及び適切な回収機会と機材を提供すれば、区民の協力が得られること、区民の高いリサイクル意識が確認できた。本件は、啓発の成功モデルとして、今後他の自治体へ展開していきたい。

・ センコー平和島PDセンター: センター周辺の緑地帯における飲料容器の散乱は、ほぼ消滅し、海沿い地域でのごみ散乱防止施策としての効果が確認できた。今後、他の事業所での拡大を目指したい。

・ 原宿表参道欅会:年末年始に啓発広告を掲載し、大勢の来街者(消費者)の目に触れられ、公道における回収・啓発モデルとしての効果が確認できた。

②広島県:GREEN SEA瀬戸内ひろしま・プラットフォーム(GSHIP)

・ 新機能リサイクルボックス設置による実証実験において、異物低減効果が確認できた。これにより、異物がリサイクルボックスを圧迫し、飲料空容器が散乱していた現状を改善した。このことは、海洋流出の原因ともなるリサイクルボックス周辺における飲料空容器の散乱リスクの軽減、川ごみ・海ごみの抑制につながっている。本件の成功事例は、注目度も高く、今後、瀬戸内エリアへの展開が期待される。

③ 神奈川県:かながわペットボトルモデル事業推進コンソーシアム

・ 小田急電鉄:3分別(ペットボトル本体・キャップ・ラベル)に関して、機材と啓発によって、一定の消費者の意識改革があったと評価する。

・ 河西工業:元々社員の皆様のリサイクル意識が高いことに加え、河西工業の全面支援を得て、非常に高い割合でペットボトル本体・キャップ・ラベルを3分別していただいた。

④その他

・ ドリンクジャパンにおける、資源循環をテーマとした自治体間でのパネルディスカッションは、多くの聴講者にも高い評価を得た(事後のアンケートの満足度81%) 。

取組を紹介したURL等

本件に関するリリース文:全清飲のリリース文

①東京都:ボトルto ボトル東京プロジェクト

http://www.j-sda.or.jp/ippan/news_view.php?kind=1&id=334

②広島県:GREEN SEA瀬戸内ひろしま・プラットフォーム(GSHIP)

http://www.j-sda.or.jp/ippan/news_view.php?kind=1&id=333

③神奈川県:かながわペットボトルモデル事業推進コンソーシアム

http://www.j-sda.or.jp/ippan/news_view.php?kind=1&id=335